最高裁判所第三小法廷 昭和28年(し)82号 決定 1953年11月17日
申立人(弁護人)
油木巌
被告人岩本行弘こと李永来に対する窃盗保護事件について、広島高等裁判所松江支部がなした抗告棄却の決定に対し、右申立人から再抗告の申立があつたので、当裁判所は右のとおり決定する。
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主文
本件再抗告を棄却する。
理由
申立人油木巌の抗告理由(別紙記載)について
少年法三五条一項の再抗告は、同条項に定められた事由を理由する場合に限り許されるものである。しかるに、本件抗告理由は、憲法違反をいつているが、実質は、原判決の判断が少年の将来を考慮せず、かつ、少年法の立法趣旨を忘却し、少年の人権を無視しているものであるから不当であるという訴訟法違反の主張に帰するものであつて再抗告適法の理由にならない。
よつて少年審判規則五三条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)